11号が去った。
まさに頭上を通り過ぎていこうというとき、
私は外にいたのだけど(なんでや)、
風も雨もあまりすごいと思うことなく終わった。
うーん。
まあ無事で軽いのに越したことはないんだけど。
子供の頃はもっと台風は「すっごく怖いもの」だった気がする。
もちろんそれは住む場所にも左右されるのだと思う。
実家は川のすぐ側とはいえ、本州生まれの本州育ちの私は
最近それで怯えたことはない。
なんで昔はそんなに怖かったのかな。
きっと「停電」のせいだ。
私が子供の頃、街はたやすく停電した。台風が来るたびに電線が切れ、
まっくらやみ。懐中電灯とろうそくの明かり。
そして木造家屋はがたがたと風で揺れた。
親にしがみついていたのを覚えている。
まあこうなってくると、やれ非常食だとか、床下浸水の危機だとか、
堤防決壊だとか物騒な言葉が飛び交うので、それも恐怖感をいや増した。
このままだったらどうなってしまうのだろう、そう思わせるパワーがあった。
また母親が大げさな人で、
「隣のビルの看板が風で空を飛び回っている。絶対外に出られない」とか真剣にいう。
その看板は1枚が5畳ぐらいの大きさがあるやつだった。
超でっかい看板がぶんぶんと妖怪一反もめんのように空を飛び回っている図が、
幼い私の頭を占め、子供心ながらに「台風って、こわー…」と思わせたのだ。
今じゃ停電はしないし、マンションはちょっとの風じゃ揺れない。
きっと今の子供の思う「台風」と私の中の「台風」の怖さマックス度は
全然違ってるんだろうな。
昔は怖いものがいっぱいあった。
今もあるけど、その中身は全然違っている。