April 12, 2005

未来が決まる瞬間(宇宙消失)

私の持つPC(Windows)には「マインスイーパ」というゲームが
インストールされている。
PCに釘付けで、でもとりあえず「待ち」の場合、プレーしたりするのだが、
これをやると思い出すSFがある。
結構前に読んだ本だけど、グレッグ・イーガンの「宇宙消失」。
(以下、この本のネタバレを含みます?)

マインスイーパは爆弾探しゲーム。
マス目をクリックし、出た数字から周囲のどこに爆弾があるかを推理する。
(数字は自分を中心とした3x3のマス目の中に、いくつ爆弾があるかを示す)
単純だけど、やると結構嵌る。

イーガンは所謂「ソフト」「ハード」あるうちのハードSFの書き手。
(えっ!ぬるい!と思われる方にはごめんなさい。私には十分ハードです)
「宇宙消失」は量子力学の「波動関数の収縮」を下敷きにしている。
もちろん量子力学などわからない。私には立花隆氏の著書を理解するのが精一杯。
とにかくこの小説では「拡散」「収縮」という2つの単語が指す内容が、
重要な役割を果たす。

これだけ書くとものすごく難しいのだけど(いや難しいんだけど)この話。
私的にめっちゃくちゃ乱暴にいえば。
「宝くじが当たるか外れるかは、買ったときに決まらない。
当選番号と照らし合わせた瞬間に決まるのだ」という話だと思ってる。

「え?なんで?」といわれたら、もう説明のしようがないのだけど。
もう少し書くと。
こっそり監視から抜け出そうとするとき。
その監視がこちらを見たときに「見つかる」のではない。
自分が「見られた、見つかった」と思った瞬間に見つかるのだ。
その見つかった、と思う瞬間が「収縮」。
したがって見つからないためには常に意識を「拡散」させておかねばならない…。
正面から見つめられても意識しない=拡散できれば、透明人間になれる…。

というのが、物凄く乱暴な私の「宇宙消失」の理解。
量子力学はおぼつかなくても、この概念は私にはすごくなじんだ。

マインスイーパをやっていて、物凄く不思議に思うのは、
最初のワンクリックで被爆することは絶対にない。
確率の問題かと思って何度も試してみたけど、あたらない。
つまりこの爆弾の配置は、普通そうと考えられるマス目が更新されたときではなく、
私が最初のマス目を押した瞬間に決まるのだ。

マス目を押す=見つかったと思う=当選番号を確認する。
それが収縮の瞬間。
未来への分岐。

自分が思うよりずっと「後」に、未来は決まっているのかもしれない。
それは可能性の問題というよりも。
ただ、目に見えるものがすべてではないと、常に思えるかどうか。
別のものが、別の道が見えてくる。
そうなれば楽しいと思う。
怖さも増すだろうけど。きっと。

Posted by kim at April 12, 2005 06:57 PM
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