銀座界隈のグルメ・食べ歩きブログなどで度々名前を拝見していた店。
俗にいうB級グルメは結構銀座にあるんだけど、ひょっとしてその頂点を争うかという店、らしい。
でも場所や内容までは知らなかった。
が、偶然見つけ、入った。
場所はほとんど八重洲だった。銀座INSの3にあるが、1や2と違い、「謎の店率」がぐぐんと高まる。
その端にあった。
カウンターだけの店。だけど20席ぐらいはありそうだ。そこに鈴なりになっている
スーツの人々。その背後に行列。私が横を通ったのは午後3時を回っていたが、
それでも10人以上が列を成している。
さて。メニューはスパゲッティと書いてある通り、これはパスタではなく、
スパゲッティだ。
つまり一度茹でた麺を具と一緒にフライパンで炒める、懐かしいアレ。
家でもできるじゃん、地方の古臭い喫茶店でよく出る奴じゃん、ってのりだ。
だが。
それならば、なぜこんな行列ができるのか。
値段を見る。安い。レギュラーで500円か550円。
しかし、食べてる人や列には「安いから」という雰囲気がない。
寧ろ「どうしても食べたい」「食べたくて仕方がない」という臭いがぷんぷんする。
なんていうか、後ろで並んでいる人が食べてる人を見て、思わず喉を「ごくん」と鳴らすっていうか...。
空気が異様に濃い。
そんなにすごいのか、ジャポネ。これは試してみるしかないだろう!
昼をすっ飛ばして夜このあたりで食べようと画策していたが、計画を変更する。
ま、パスタだし、2時間もすぎりゃ消化されてしまうだろう。
並んでいる間にメニューを研究する。12種類ぐらいあるが、大体3種が人気だった。
「ジャリコ」「ジャポネ」「ナポリタン」
ジャリコとジャポネは醤油味だ。看板にもなっているジャポネの具は、
「肉、しいたけ、オニオン、小松菜」
こまつな?
そしてジャリコは上記の具に海老としその葉とトマトが加わる。
ナポリタンは「海老、しいたけ、オニオン、小松菜」だ。
見てた限りでは1番人気は圧倒的にジャリコだった。
ジャリコはレギュラー550円。ほか2つ500円。大盛りは150円アップ。
たまたま作っている人の側にいたので、じっくり観察した。
中華と思しき強力なガスコンロ2口が全開。いかなるときも火は止まらない。
消しているヒマがないのだ。
そしてスパゲッティは2人の男性の連携プレーで作られる。
コンロの上には中華なべと見間違うかのような巨大なフライパン(しかも変形している)が2つある。
まず向かって左側の男性が鍋にすんごい塊りのバターだかマーガリンだかを入れる。
そして麺。あらかじめ茹でてありオイルがまぶしてある麺を「ぐわしっ」と掴み、入れる。
このでっかいフライパンがたちまち一杯になる。んで炒めだす。
しかしこちら側ではベースの炒めだけの様子。ある程度になったら、
右側の男性とフライパンを入れ替える。右側ではここに具をいれ、味付けする。
その間、左側の男性は開いたフライパンの汚れを落とし、また麺をいれる。
このリレーが際限なく続く。それくらい忙しい。
見てるだけで痩せそうなぐらいハード。
フライパンが巨大で、それに極太の麺がてんこ盛りで、これを腕一本で混ぜ、ひっくり返している。
火がぼうぼう。男性2人は痩せているが、これじゃ太れないだろう。
しかも。そんなに一杯つくってるのに、2皿しか1回に作れないようなのだ。
理由は。
1、麺が太い。
2、そもそも一皿の量が多い。
3、客の9割がレギュラーではなく大盛りを頼んでいる(女性も)。
この3点だと思われる。レギュラーでも普通のパスタなら大盛り(か、それ以上)あるのに。
とにかく、これらのことを観察しているうちに時間が過ぎ、私の元へ頼んだ「ナポリタン・レギュラー」が届いた。
うん。見た目はまんま、昔のナポリタンだ。
ちなみに私はナポリタンには少しうるさい。
地元では子供の頃、喫茶店でナポリタンを頼むと鉄板の上に溶き卵が敷かれていて、
その上に麺だった。
鉄板の熱でとろとろの半熟になった卵に、ケチャップを絡めながら食べるのがおいしかった。
さて。
太い!麺が太いよ!
1.6や1.9ミリなんて目じゃない。どうみてもこれは2.2ミリはある。
が...美味いっ!!
具はほとんどない。たまに小松菜の茎に当たるぐらいで、
オニオン様や海老様の姿もない。いや、海老はいた...芝海老が1、2個かなという推測は甘かった。
これ...干し海老?
でもそんなことはどうでもいいのだ。
家庭でもなかなか食べられん太い麺をひたすら味わうこのスパゲッティ、
なんともいえない美味さがある。
大なべで焼く美味さなのか、なんともいえない歯ごたえのせいなのか。
不思議だけどおいしい。
備え付け、かけ放題の粉チーズをかけて食べるのもおいしい。
しかもこの粉チーズ、しょうゆ味のジャポネやジャリコにも皆ガンガンかけている。
どんな味になるんだろう...。
出てくるのはお水ではなくお茶で、これが炒めた麺によくマッチする。
とにかく完食。おなか一杯。晩御飯は無理だった。
なのに、家に帰る頃には「また食べたい...」
うわー、謎、謎の味だよ、ジャポネ!
この店のいい点はお昼休憩がないこと。4時前ぐらいになれば空いてくる。
ただ1人1人の量が多いのと、いためるのに時間が掛かるため、
滅茶苦茶回転は速くない。あとテーブルは綺麗とも言いがたい。
2、3人できても並んで食すのは無理で、皆バラバラで食べすぐに退席する。
食べている間の会話はゼロ。ひたすら食う。それがこの店のマナー。
電話で注文し、持ち帰りの多いのも特徴。
カレーを頼んでいる人は一度も見なかった。
あー、近いうちにまたいってみて、今度は醤油味に挑戦したい。
が、またナポリタンを頼んでしまう気もする。
21日追記。
・座席数は15だった。
・9割が大盛りを頼む、ではなく「大盛り以上を頼む」
・多分物凄い高カロリーだ。
・やっぱりナポリタンを頼んだ。食べ終わった後「1週間で1回が限度か」と思ったが、
一夜明けると「また食べてもいいな...」
・フライパンを洗わず、ヘラで汚れをこそげおとしているが、
その油や醤油などがしみこんで全体に味をつけているのか?
すっぽんの雑炊みたいな感覚?ナポリタンにもどこか遠く、和風の、醤油の、
隠し味があるような気がする。
Posted by kim at May 15, 2007 11:23 AM