南米の後輩から泣きの電話が入った。
「荷物が届きませんでした...」
平静を装っているが、結構動揺している。
が、私の第一声はこうだった。
「PCは?仕事道具は手持ちにしたんでしょ?」
「はい」
「じゃ、良かった」
向こうはなんてひどい、と思っているだろうが紛れもない本音だった。
乗り継ぎ便はちゃんと同じエアラインにしたらしいが
「荷物が多すぎて詰めなかった」と日送りされたらしい。
他の国なら言い訳と思うけど、南米だったらありえる。
到着して直後に荷物が届かないと、かなりしんどい。
風呂ひとつ入れないし、翌日の着替えも困る。
(時差ぼけ解消など、生活のリズムを取り戻すのに入浴はいい手段)
切り替えの早い人ならさっさと服を買いにいったりするのだが、
土地勘もなければレンタカーもないときては、それも難しい。
だけど。
ここで「そうか、大変だったわね」などと声をかけちゃいかんのだ。
そんなことをいえば
「そうかオレは大変な目にあってるんだな」と思ってしまう。
これが新しいミス、トラブルを引き起こす。
海外で仕事するときは「何が何でも、無理な要求でもやるしかない」という
土壇場の、がけっぷちの気持ちで臨むしかない。
そうしないと安易にケガするし、下手をすると命を失う。
だから突き放したほうがいい。
「誰も助けてくれないんだ」と思うことがトラブルを遠ざける。
だいたい荷物未着なんてトラブルのうちに入らない。
交通事故(自分で起して誰かを死なす)や拳銃で撃たれるぐらいなら判る。
荷物全盗難の場合でも、むしろ「なんで取られたんだ、仕事できねーじゃないか」と怒鳴られる。
面と向かってはいわれないものの、内心では皆から「出来ない奴」「使えない奴」と思われてしまう。
自腹を何万と切ろうと、何事もなかったかのように仕事ができて1人前、みたいな感じだ。
ひどい会社だと思う。
海外出張にかける保険は、トラブルがあったときの事後処理用資金であり、
本人や遺族には全く支払われないし。
んでも入社したからにゃがんばるしかない。
最初の3年でゆるい仕事しかしてない奴は使い物にならない。
だから洗礼を浴びるのは悪いことばかりじゃない。
...でも、無事に帰ってきてね。
いうね、絶対に!
1人だと自分が想像している以上に心細くなるんだよね。
とくに日程とかアポとか決まっているわけじゃなく、
現地で自分で予定たてて勝手に行動するから、
安心できるのはホテルの自室に戻っているときだけだなあとかよく思ったし。
あと私信。
ひょっとして、メールくれた?
出してないならOKです(一瞬、データが飛んだので)
